ホタルの光

梅雨に入るか入らないかの季節になると、田舎の方ではホタルが姿を現し始めます。
暗闇の中で光るホタルは日本人にとって季節の風物詩であり、ホタルが見られると有名な場所には、さながら観光地のように大勢の人が見物に訪れます。

ホタルと一言で言ってもたくさんの種類があり、中でも代表的なのが、ゲンジボタルとヘイケボタルです。
それぞれ光る時期が違い、ゲンジボタルは5月下旬~6月ごろ、ヘイケボタルは6月~8月ごろが見ごろです。

また、ゲンジボタルは河川敷など水が流れている場所を好み、逆にヘイケボタルは水田など水が止まっている場所を好むようです。
月がきれいに出て明るい夜より、少しどんよりとして蒸し暑い曇った夜の方が出没率は高いようです。

ホタルの光を見ることができる時期は、ほんの少しの間ですので時期を見計らって見物に出かけましょう。
出かけるときの準備としては、虫よけスプレーの事前噴射、小さ目の懐中電灯ですね。
暗い中を歩きますから、足元を照らすための懐中電灯は必須です。

ホタルの鑑賞時は静に。
そして近くに飛んできたとしても、決して捕まえてはいけません。
手にそっと降りるようにすると、運が良ければ着地してくるでしょう。

本当に幻想的で、最高の体験になります。
ホタルの生息地は限られていますから、これからも守っていきたい生物ですね。

季節を感じる

今の季節だけしか見られない蛍の光を見に行ってきた。
住宅街育ちなので、山も川も近くになかった私にとって、子供の頃は蛍を見る機会はあまり無かった。
昔は田んぼにもよくいたのにね〜、という話も聞くが、人間でさえ疲れる街中に、蛍が住むわけはない。

最近は日の入りが遅くなり、見に行った日は夜7時29分だった。
蛍を見るためだけの公園があると聞いたのでその場所に夜7時くらいに到着した。
駐車場には続々と車が入り、カップルや子供連れなどがたくさんいた。

日が暮れてしばらく公園の中を流れる川の岸壁に座っていたが、何も変化がない。
本当にこの場所で良いのか?と思っていたころ、すぐ目の前で小さな光が見えた。
声を出すまもなく、上の方でも光っていた。
見頃の時間だ〜!と思ったら、あっという間に光り出す蛍が増えていった。

公園は整備されているが、流れている川は手を加えていないような自然な川だった。
だからこそ、水草もたくさん生い茂っており、そこにお尻が光った蛍が止まりやすくなっていたのだ。
子供の頃に習ったのは、雄が雌にアピールするための発光だと聞いたが、すべての種類がそうとも限らないないという。

明るい時間帯にはアピールしないのだろうかとか、このシーズンに伴侶を見つけられなかった蛍はどうなるのだろうと、気になることがいっぱいのまま大人になってしまった。
その日、公園にいた親子連れの中にも、子供の質問に答えられずに濁しているお母さんがいて、思わず笑ってしまった。

蛍を見に行こうという感覚からしばらく離れていたため、そんな素朴なこと考えずにきてしまった。
来年は、ちょっと予備知識を入れてから行くと、もっと楽しめるかも知れない。

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