受験に失敗した兄の教訓

私の兄は大学受験に失敗しました。
小さな頃から地道にコツコツタイプの性格で、昔から本番に弱く、これまでも何度かそういう兄を見てきた気がします。

全国模試でも志望大学の偏差値をクリアしていたのですが、残念な結果となりました。
実力はあまりないのに要領と運の良さで乗り切る私は、兄とは正反対の人間ですから、私も兄の受験結果を知った後、兄に声もかけられずに数日過ぎました。

ある日、兄が私に話しかけてきて
「俺は、試験問題を見て落胆したよ。あまりにも幼稚で、解く気が半減した。俺が目指してきた物はこれじゃない!その時やっとわかった。俺は留学する。世界は広い。」

さすが、自信過剰は親譲りです。
その年の秋、兄はカナダに行きました。

それにしても両親は寛大だと思います。
兄にも私にもそうですが、個人の意見を尊重してくれ、反対された事が一度もないのです。

そのかわり自分が一度決めた事は最後までやりぬく事と結果を出す事を教えられてきました。
兄はどんな結果を持ち帰るのか楽しみです。
兄自身も、自身のプライドにかけてチャンスを掴みとると、意気込んでいます。

最大の敵は、この自分自身のモチベーション維持と健康管理ではないかと思います。
全ての物事は健康がベースで成り立ちます。
モチベーションについても、底力を発揮する際には、無くてはならないものですよね。

実はモチベーションを維持し続ける事は至難の業ですが、これが出来て初めて人間的にも成長出来るのではないでしょうか。

受験勉強

高校生の頃、一応地元で進学高と呼ばれているところに通っていた。
入ったころは成績が良かったのだが入学以降はウナギ下がりに落ちていった。
やっとこさ勉強を始めたのは3年生の夏頃。だれがみても手遅れだった。

進学高校にありがちな朝課外というものはなく今思えば割と自由な校風だったのだが
いよいよ受験シーズンにさしかかろうというときになってこのままではヤバいということに気付いた。
このペースでは受験に間に合わないと自分都合で妙な焦りを覚えた。
ある日、担任(数学)の先生にこの授業は私にとって意味がありません、
自分で勉強したいので授業はすべて欠席します、と直談判してみた。
すると自由な校風もあってか理解してくれ次の日から授業にでなくても良いことになってしまったのだ。
その日以降、私は持参した参考書を片手に学食を陣取って自学自習に励むようになった。
他の生徒が授業を受けているなか私は一人で学食で勉強していた。
下級生は不思議そうな顔でのぞきにくるし先生方も興味と冷やかしがてら見に来るようになった。
そのうち差し入れも頂くようになりある種の市民権を得たような気分だった。
またあるときは階段教室に22:00過ぎまで勉強していたこともあった。
しかしこれは流石に怒られた。勉強して怒られたのは始めての経験でもあった。
(そういえば高校受験のときも塾に夜中まで居たなぁ)
勉強の方もはかどり3か月でセンター模擬試験での成績は+200点ほど伸びていた。
そして迎えた大学受験本番。見事に私は失敗したのだった。
世間体も考え一応すべり止めの大学に入ったのだがどうも馴染めず浪人することにした。
結局一年浪人生活を送った後に落ちた大学に執念で合格することができた。
親には金銭的にも迷惑をかけてしまい当時は色々と考えるところもあったが
この経験が初めて自分で目標を掲げそれを達成するという勝ち癖の実績にもなったと思う。
答えがない大人の社会では自分で課題を定義し目標の設定と達成をすることが求められるが
そのほとんどは一般解というものがなく自分で見つけ出さなければならない。
私の場合はその思考体力や礎となるものに加え、
普通の道からあえて外れる力というものをこのときに開眼したのかもしれない。

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