伝統祭りのビジネス化
今年の6月7日は旧暦の5月5日で、中国の端午節でした。
もともと端午節は中国古代の偉大の詩人屈原を記念するために、毎年旧暦の5月5日にチマキを作って、卵を煮て、5色の糸を腕と足腕に結びます。
南に川がある都市では、船首に竜の頭を飾った船で試合を行います。
伝統的なお祭りは大体そのように過ごしましたが、近年伝統的なお祭りもビジネスの味になりました。
子供の頃に端午節の前に母と一緒にチマキを包んで蒸しましたが、近年自分でチマキを作るのはただお祭りの楽しみを感じるためになりました。
なぜなら、チマキなどのお祭り食品は一カ月前からスーパーで買えるからです。
端午節だけではなく、中秋節、上元の夜、清明節などもビジネスチャンスがあります。
日本でも祭事に関わるビジネスは豊富であると聞きました。
確かに、一度連れていってもらった祭りの出店で販売してある数々の品は、2.3割高い物ばかりでしたので、びっくりしたものです。
心理としては、五感を刺激されて興奮状態なので、価格の判断が付かない間に購入してしまうのかもしれないですね。
それに、祭りだからという自己弁護や、この時期にしか味わえない希少性も後押しするのでしょう。
ちょっとした贅沢など、都合の良い理由をつけることは、人間は得意ですからね。
逆に、お店は稼ぎ時ですから、気持ちも乗ってるでしょうし、大盤振る舞いすることもあるのではないでしょうか。
子供の頃の夏祭りの思い出
最近めっきりあたたかくなってきた。
むしろ暑いくらいだ。
すっかり夏の気配が漂っている。
仕事の帰り道、家の近くの神社の横を通ると、調子外れの笛の音と、リズミカルなお囃子の太鼓の音が聞こえるようになった。
夏祭りに向けて練習をしているのだろう。
その音を聞くと、こちらもにわかにうきうきしてくるから不思議だ。
子供の頃、祖父と一緒によくお祭りに行った。
あまり旅行などのお出かけをしなかった私にとっては、夏の一大行事である。
私は自他共に認めるじいちゃん子であったから、祖父もそれはそれは私を可愛がってくれた。
大抵のお祭りの屋台というのは、何を買うにつけても法外な値段をとるものだが、子供の自分の私にはその金銭感覚がなかった。
何でも欲しいものを祖父が買ってくれたからだ。
だから大人になってから、昔引かせてもらっていたあたりくじの割りに合わなさや、飴やラムネの量り売りの非常な高値に驚いている。
そういえば、カキ氷もよく買ってもらった。
いつもメロンかイチゴで、たまに間違えてレモンを頼んでしまうとひどくがっかりした。
レモンには少しいやな思い出がある。
私はマスクメロンアイスが小さい頃から大好きで、アイス屋に行くと必ずマスクメロンを頼む(今でもだ)。
それで、その日もやはりメロンを頼んだのだが、お店のお姉さんがなぜか間違えたようで、私に手渡したアイスはレモン味だった。
店の外に出るまで気づかなかった私もどうかしていたが、それ以来レモン味の嗜好品はなるたけ避けるようにしている。
それはさておき、昔も今も変わらずあるが、私はブルーハワイというものに大変な魅力を感じていた。
あの不自然な青は、本当に異国の海の青を連想させた。
そのありえない発色のせいで、母親から口にするのを禁止されていたが、私はあのブルーハワイをことのほか意識していた。
一度だけ、母のいないところでブルーハワイを頼んだ。
色の美しさのわりに、何てことのない味だった。
一度食べたらいいや、と思った。
けれども、やはりブルーハワイは私にとって、よその世界の海の、憧れのイメージなのである。